自分のことは自分でできる子どもに育てたい!
今日からいっしょに、「親子でお片づけ」のススメ
お話 高取しづか
使ったら使いっぱなし、遊んだら遊びっぱなし。まだ小さいからしかたない? では、いつから「自分でお片づけ」を教えたらいいのでしょう? お片づけを教える前の心がまえから、準備、実践のコツまで、お片づけデビューに役立つお話がいっぱいです。
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お片づけのしつけっていつ頃から?
「自分のことは自分でする」を少しずつ
「自分のことは自分でする」。大人なら当たり前のことですよね。でも、小さな子どもについてはどうでしょう?
私が子育て時代を過ごしたアメリカでは、「自分のことは自分でしようね」ということを3歳くらいから穏やかに伝えていました。自分で使ったおもちゃを元に戻す、飲んだコップをキッチンに運ぶ、使ったタオルを洗濯機に入れる……。それらはすべて「あなたがすることよ」なのです。
もちろん子どもを突き放しているわけではなく、最初は親がお手本を見せたり手伝ったりしながら、少しずつ自分でできるようにと子どもを促していきます。感情的にならずに根気よく声をかけていました。
子育ての最終的なゴールは「子どもの自立」と考えれば、小さなころから少しずつ「自分のことは自分でする」という練習を重ねていくことは、とても大事だと私は感じています。
お片づけを教える前に…
「子どもは片づけないのが当たり前」と知っておきましょう
お片づけに関していえば、そもそも子どもは別に片づけなくても困らない、ということもあります。好きなおもちゃは出しっぱなしにしておきたいし、雑然としているのが好き。子どもってそういうものなんです。やらない子どもにイライラしないためにも、「子どもは片づけないのが当たり前」ということを、いつも頭に置いておきましょう。
うまく習慣づけるコツは?
「親子でいっしょに、楽しく」「気長に何度でもくりかえして」
幼児期はすべてのことが遊び感覚で楽しめてしまう時期だから、お片づけもしつけというより「親子でいっしょに」「楽しみながらやる」という感じで始めてみるといいですね。
初めは、まず大人がお手本を見せて「お片づけってこういうものよ」ということを「型」としてわかりやすく教える。その次に、子どもといっしょにやってみる、というステップですすめていきましょう。
やってみよう!「お片づけの習慣化」
★準備編
片づけやすい環境をつくろう
片づけとは、「あるべきところにものを戻すこと」。子どもが自分で戻しやすいような環境を作りましょう。ものを分類する、それぞれの定位置を決める、片づけやすい箱や棚を用意する、収納場所にイラストや写真を貼る……。子どもの目線になって工夫してみましょう。
★実践編
ステップ1・まず、親がお手本を見せる
子どもの「できない」「やらない」は「やり方がわからないから」という場合も多いもの。まずは大人が「お片づけはこういうふうにするんだよ」とお手本をやって見せましょう。
ステップ2・親がリードしながら、親子でいっしょに片づける
次は、「いっしょにやってみる」。「積み木はこの箱に戻そう」「ぬいぐるみのおうちはどこかな?」。親子でいっしょに片づけながら、片づけの楽しさや気持ちよさを体験させましょう。
ステップ3・子どもが片づけ、親はそばで見守る
ここでの親の役目は、「手を出さずに、子どもがやりとげるまで、見守りながら待つこと」。口や手の出し過ぎは子どものやる気をそぎ、自立を妨げます。グッとガマンを。
幸せお片づけのためのミニアドバイス
高取しづか Sizuka Takatori
NPO法人JAMネットワーク代表。「ことばキャンプ教室」主宰。消費者問題・子育て雑誌の記者として活躍後、1998年渡米。アメリカで出会った友人とJAMネットワークを立ち上げる。「子どもの自立とトレーニング」をテーマに、記事の執筆、講演、ワークショップなど、幅広く活躍中。『ダメッ!って言わない子どもへgoodアドバイス〈2〉身の回りのお片づけ』(合同出版)『ことば力のある子は必ず伸びる!』(青春出版)ほか、著書多数。
取材・文/中島恵理子