楽しく笑えば身体すくすく、心のびのび!
「笑顔のチカラ」で親子の幸せ力を高めよう
お話 瀧口 綾先生
笑いで重い病を治した、笑うことで脳機能が活性化したなど、近年、「笑い」の効能が次々と明らかになっています。そこで、今回は「笑い」が心身に与える影響について研究をされている先生にインタビュー。子育てファミリーにもうれしいお話がいっぱいですよ。
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親が笑うと子どもの身体にプラスの効果が
「よく笑う母親の母乳を飲んでいる赤ちゃんは、風邪をひきにくい」という話をご存知ですか? ママがよく笑うと、母乳中のガンマグロブリンAという免疫物質がふえるため、赤ちゃんが風邪をひきにくくなるのだそうです。
また、「ママやパパが漫才を聞きながら(笑いながら)ミルクを与えたら、赤ちゃんのダニアレルギー反応が減少した」という研究報告も。親が楽しく笑うことが子どもの健康によい効果を与えているなんて、うれしい驚きですね。
親の笑顔は子どもの「安心感」や「自信」も育てます
大好きなママやパパがにこっと笑ってくれたら、子どもはそれだけで安心します。また、親の笑顔は、「私はあなたをそのままを受け入れているよ」というメッセージにもなります。それは子どもの自信や自己肯定感にもつながっていきます。
「笑いは副作用のない薬」と言われますが、ママやパパの笑顔は子どもの身体だけでなく、子どもの心のすこやかな育ちにも大いに貢献しているといえます。
ママが笑えば子どもも笑う。「笑顔のミラー効果」に注目!
「笑顔」にはすばらしい効果がたくさんありますが、さらにステキなのは「笑顔は伝染する」ということ。「笑顔のミラー効果」といって、自分が笑うとミラー(鏡)のように相手も笑顔になるということがわかっています。ニコニコ笑顔の人がいると、周りの人もなんとなく笑顔になるということは確かにありますよね。
親が子どもに笑いかければ、子どもも笑顔になる。それを見た親はまた笑顔になる…。そんなふうに笑顔がループしていく関係を作っていけたらいいですね。
「作り笑顔」も効果アリ! 笑いと脳のふしぎな関係
笑いに関して、ちょっと面白い話もあります。口角を上げて笑顔を作ると、脳が「あ、笑ったね。楽しいんだね」と勘違いして、セロトニンやドーパミン(幸せホルモン)を出してくれるのだとか。ですから、笑えないときもとりあえず口角を上げて「作り笑い」をしてみるといいそうです。気づいたら、ちょっと口角を上げてみる。「これで幸せホルモンが出たかも?」と思うと、それだけで少し気持ちが明るくなりそうですね。
For Mama
笑顔になれないときもある。そんなときは…
いつもニコニコ笑顔のママでいたいけど、そういう気分にはなれないときも。そんなときは無理に笑顔にならなくていい、と私は思います。
疲れたときは、「ママ疲れちゃった」「少し休んだら元気になるからね」と家族に伝えましょう。そういうママを見て、子どもは「疲れたら、疲れたって言っていいんだな」と学ぶことができます。
笑うことに苦手意識がある方は、まず「感情を出す」ということを意識してみましょう。つらいときはつらいと言う、誰かに話を聞いてもらう、助けを求める。そんなふうに少しずつ自分の気持ちをゆるめていけたらいいですね。
実践編
親子で、今日からできる
笑顔をふやすアイディアあれこれ
「いいね!」「やったね!」「ラッキー!」「大丈夫!」など、いい言葉、ポジティブな言葉を意識して使ってみましょう。
わが家では娘が幼いころ、何かいいことがあったら「ラッキー」と言い合う遊びを親子でしていました。「今日は散歩のとき、かわいいネコがいたよ、ラッキー!」など、ゲーム感覚で「いいこと探し」をしてみるのも楽しいもの。「幸せ言葉」を積極的に使えば、自然に笑顔も多くなりますよ。
ほめられれば誰だってうれしいし、笑顔になりますよね。「できたね」「やったね」と言葉でほめてもいいし、ハイタッチや握手などのアクションでもOK。大切なのは「見てたよ!がんばったね」というママの気持ちが子どもに伝わることです。
「ママ!」って呼ばれたら、変顔をしてパっと振り向く。それだけで子どもはきっと大盛り上がり! 表情遊びとしては「にらめっこ」や「顔じゃんけん」もありますね。思いきり顔の表情筋をほぐすと、笑顔も出やすくなりますよ。「いいね!」「やったね!」「ラッキー!」「大丈夫!」など、いい言葉、ポジティブな言葉を意識して使ってみましょう。
わが家では娘が幼いころ、何かいいことがあったら「ラッキー」と言い合う遊びを親子でしていました。「今日は散歩のとき、かわいいネコがいたよ、ラッキー!」など、ゲーム感覚で「いいこと探し」をしてみるのも楽しいもの。「幸せ言葉」を積極的に使えば、自然に笑顔も多くなりますよ。
身体を動かすと、自然に気持ちもほぐれて笑顔が出ます。外で遊べないときは、楽しい音楽に合わせて一緒に踊ったり、子どもが嫌がらなければ「くすぐりっこ」もいいですね。親も子も思いきり笑えて、スキンシップにもなります。
瀧口 綾 Aya Takiguchi
健康科学大学健康科学部福祉心理学科准教授。専門は発達心理学、臨床心理学。クリニックで発達障害の相談も行っている。笑うことが大好き!講演会などを通して笑顔や笑うことの大切さなどの普及に力を注いでいる。共著に『保育の心理学』(一藝社)ほか。
取材・文/中島恵理子